“波乱の紙芝居人生40年、座長ヤッサン逝く”
天空で、”夢咲庵僕道”と名を変え、連日、口演!!
“紙芝居のヤッサン”の名前で、親しまれてきましたヤッサン一座座長ヤッサンこと安野侑志は、去る8月25日、波乱に満ちた40年の紙芝居人生を閉じました。享年69歳でした。
ヤッサンは、京都を拠点に全国で独自の紙芝居ライブを披露し、イギリス、アメリカ、韓国口演でも大きな拍手をいただいてきました。
特に、京都国際マンガミュージアムでの常設紙芝居小屋や、清水寺境内での口演では、たくさんの方々とのご縁をいただきました。
ヤッサンは、今では町角で見られなくなった自転車の紙芝居(街頭紙芝居)の伝統を引き継ぎつつ、「見世語り紙芝居」という独自の領域を切り拓きました。
全国でも数少ない専業紙芝居師として、紙芝居を子どもだけでなく、年齢を越えて愉しめるサブカルチャーへと高めました。
紙芝居を何のために演じるのかと聞かれた時、「子どもも大人も、わくわく、ドキドキのみずみずしい感受性を取り戻してほしいから」と答えていました。
ヤッサン自身、いくつになっても子どもの心を失わず、ヤッサンのつくる紙芝居には、たくさん笑ったあとで記憶に残る子どものこ・こ・ろがありました。
皆様には、生前のヤッサンへのご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後とも、ヤッサン一座の紙芝居に対し、変わらぬご厚情、ご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
2012年8月
プロフィール
日本固有の紙芝居という文化を「世界遺産(不動産)」ならぬ『世界異産(異動産)』として世界に普及させる事を目指す、紙芝居道という未知なる道を進んで、この道一筋40年のベテラン紙芝居師。
一方通行の「読み聞かせ」の紙芝居とは異なる、お客さんとの双方向の対話である、ヤッサン流『見世語り』の紙芝居スタイルを考案、実践する。
私にとっての師匠とは少年時代に胸をときめかせて観ていた紙芝居のオジサンと、そして今、一筋縄では大人の言うことをきかない子ども達。
どう対峙したらいいかを毎日考えさせられる彼らが、最大・最良の師匠と思っています。 (安野)
1943年7月、山形県鶴岡市に生まれ東京で育つ。
1972年、当時大阪府だけに残っていた紙芝居業者免許を取得。
結婚デザイン業に関わり、式場紙芝居等を企画。
その後、大阪を中心に全国でも営業。
「紙芝居のヤッサン」と人気を博す。
※免許制度は昭和58年まで施行されていました。
2000年 NPO法人少年会議所設立、理事長就任。(現 相談役)
2001年「土日楽校」開校。
2005年 創造学園大学 創造芸術学部 客員教授就任
2005年 日韓文化交流展・韓国ソウル(外務省・文化庁主催事業)
韓国・ソウルにて初の海外公演。
2008年 京都市教育委員会・京都国際マンガミュージアム主催
「紙芝居百年展」を開催。
2008年 京都文化ベンチャーコンペティション文化ビジネスアイデア部門 京都府知事賞(最優秀賞)受賞。
2008年 第9回国際マンガサミットで国際文化交流。
国立京都国際会館にて口演。
2008年 UK-JAPAN 2008 日英150周年記念
ロンドン・アイルランド ダブリン・リバプールで口演。
2008年 財団法人大学コンソーシアム京都
京カレッジ担当教員就任。
プロの紙芝居師による表現力とコミュニケーション力の
スキルアップ講座。
2009年9月 一般社団法人国際紙芝居協会 理事長に就任。
2009年12月 アメリカ・スミソニアン口演
「Osamu Tezuka: God of Manga,Fatherof Anime」
での関連イベントとして口演。
2009年 紙芝居師養成オーディションを大阪、東京で開催。
各種メディアで大きく取り上げられる。